第32回日本炎症・再生医学会
会長挨拶
会長 吉川 敏一  このたび、第32 回日本炎症・再生医学会を平成23年6月2日(木)~3日(金)の2日間国立京都国際会館で開催させていただくこととなりました。歴史と伝統のある本会の年次学会をお世話させて頂くこととなり、私自身のみならず大学教職員一同、大変光栄に存じております。
  さて、先の東日本大震災におきましては、東北地方を中心に甚大な被害がもたらされました。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申しあげますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申しあげます。被災地域の皆様には、大変厳しい環境の中での生活を余儀なくされているかと存じますが、これ以上の被害が広がる事がなく、一日も早い復興を切に願っております。本会開催にあたっては、中止ということも選択肢の1 つとして考えましたが、有事の中でもなお、研究の流れを止めないことの重要性を念頭に、予定通りの開催を決定いたしました。この度の震災の影響で1st Meeting of Asian-Pacific Federation of Inflammation and Regeneration (APFIR2011) は規模を縮小せざるをえませんでしたが、JSIR/APFIR Joint Symposium は予定通り開催し、国際色豊かな学会としたいと考えています。
  本学会が扱う領域は炎症学から再生医学まで広範な領域をカバーしており、この分野における我が国の研究は世界のトップレベルにあり、これまでにも多くの成果を世界に発信してきました。さらに、近年、autoinflammation の発見や再生医学領域における臨床応用など、新たな学問的視点や治療概念が提唱され、社会的にも注目される研究がこの分野で数多くなされています。炎症・再生医学の分野は、今まさに基礎・臨床分野の双方において、パラダイムシフトが起こりつつあることを実感しています。そこで、今回の学会では「炎症・再生のパラダイムシフト」をテーマに掲げ、プログラムを企画させて頂きました。また、特別講演は、自然免疫学および再生医学の分野において世界をリードされている大阪大学免疫学フロンティアセンターの審良静夫先生と京都大学iPS 細胞研究所の山中伸弥先生のお二人にお願いしております。さらに、教育講演として、各分野で独創的で先進的な研究をされている4人の先生にご講演をお願いしております。
  新緑目映い京都に多くの会員の皆様にご参集いただき、基礎研究から臨床応用にわたる広範な領域について発表・ディスカッションを行えるという本会の長年培われてきた特色を継承しつつ、大いに本会を盛り上げていただき、実り多い有意義な学会となりますことを心より願っております。末筆になりましたが、本学会の運営に多大なご支援・ご助力を頂きました多くの本学会関係の諸先生方、協賛企業の皆様に心より厚く御礼申し上げます。

第32回日本炎症・再生医学会
会長 吉川 敏一
京都府立医科大学 学長






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